用語集

※本用語集は、米国国立がん研究所(NATIONAL CANCER INSTITUTE:NCI)を情報の出展元とし、翻訳したものを掲載しております。

A C D I M P X あ～おか～こさ～そた～とな～のは～ほま～もや～よら～ろ

APBI accelerated partial breast irradiation: 加速乳房部分照射とも呼ばれ、5 〜 10 回（通常 5 日で 10 回）治療が行われる寡分割照射法です。APBIでは、従来の放射線治療より短期間でより高い総線量率の放射線が照射されます。
CAT スキャン computerized axial tomography scan: 体内の領域をさまざまな角度から撮影した一連の詳細な画像。画像は X 線撮影装置と連動されたコンピューターによって作成されます。コンピューター断層スキャン、コンピューター軸位断層スキャン、コンピューター断層撮影法、CT スキャンともいいます。（NCI）
DNA deoxyribonucleic acid: 遺伝情報を運び、それを次世代に伝える細胞内の分子。デオキシリボ核酸ともいいます。（NCI）
IGRT Image-guided radiation therapy: 画像誘導放射線治療ともいいます。放射線治療中に放射線ビームの誘導を補助するためにコンピューターを使用して腫瘍の画像を作成する手法。画像は、CT、超音波、X 線、その他の画像取得技術を使用して作成されます。画像誘導放射線治療は放射線治療の精度を高めて、健常組織の損傷を軽減させます。（NCI）
IMRT Intensity-modulated radiation therapy: 強度変調放射線治療ともいいます。コンピューターで生成された画像を使用して腫瘍の大きさと形状を表示する三次元放射線治療の一種。さまざまな強度の細い放射線ビームをさまざまな角度から腫瘍に照射します。この種の放射線治療は腫瘍の近くにある健常組織の損傷を軽減させます。（NCI）
MRI magnetic resonance imaging: 磁気共鳴撮像法、NMRI、核磁気共鳴画像法ともいいます。コンピューターと連動した電波と強力な磁石を使用して体内の領域の詳細な画像を作成する手法。これらの画像は正常な組織と病変組織の違いを示すことができます。MRI は、コンピューター断層撮影法（CT）や X 線など、他のスキャン技術より質の高い臓器や軟組織の画像を作成します。MRI は、脳、脊椎、関節の軟組織、骨の内部の画像作成に特に有用です。（NCI）
PET スキャン positron emission tomography scan: 陽電子放射断層撮影スキャンともいいます。少量の放射性グルコース（糖）を静脈に注入し、グルコースが消費されている体内の領域のコンピューター処理された詳細な画像を、スキャナーを利用して作成する手法。多くの場合、がん細胞は正常な細胞よりグルコースを多く消費するため、作成した画像を利用して体内のがん細胞を見つけることができます。（NCI）
X 線 x-ray: 高エネルギー放射線の一種。低線量の X 線は体内の画像を作成することによって病気の診断に使用されます。高線量の X 線はがんの治療に使用されます。（NCI）
アジュバント療法 adjuvant therapy: がんの再発リスクを低減させるために一次治療後に行われる追加のがん治療。アジュバント療法には、化学療法、放射線治療、ホルモン療法、標的療法、生物学的療法が含まれます。補助療法または付加的療法ともいいます。（NCI）
悪性 malignant: がん性。悪性腫瘍は近傍の組織を侵して破壊し、体の他の部位に転移する可能性があります。
医学物理士 medical physicist: 線量測定士および放射線腫瘍医と連携して治療計画の精度を測定し、装置を使って腫瘍または腫瘍部位を治療するための最適な角度を計算する専門家。また、医学物理士は、頻繁に安全性をチェックし、装置が正常に作動していることを確認します。
オンボード・イメージャー（OBI）On-Board Imager: OBI（On-Board Imager）システムはロボット制御アームを介してリニアックに取り付けられています。OBI は、治療前、ときには治療中に、患者さんおよび患者さんの腫瘍の位置の三次元画像を撮影します。
咽頭 pharynx: 鼻の背後から始まり、気管と食道（胃へつながる管）の最上部で終わる頸部内の中空の管。咽頭の長さは身体の大きさによって異なりますが、およそ 13 ㎝です。咽喉ともいいます。（NCI）
遠隔小線源治療 remote brachytherapy: 内部放射線治療の一種で、治療と治療の間に放射性線源を取り除く方法。高線量率遠隔小線源治療、遠隔ブラキセラピーとも呼ばれる。(NCI）。
咽喉がん throat cancer: 咽頭がんともいいます。咽頭（鼻の背後から始まり、気管と食道の最上部で終わる頸部内の中空の管）の組織にできるがん。咽頭がんには、上咽喉（鼻の背後にある咽頭上部）、中咽頭（咽頭の中央部）、および下咽頭（咽頭の下部）のがんが含ま）れます。喉頭（声帯）のがんも咽頭がんの一種に含まれることがあります。ほとんどの咽頭がんは扁平上皮がん（魚の鱗のように見える薄い扁平な細胞で発生するがん）です。（NCI）
加速照射（加速放射線治療）accelerated radiation therapy: 標準的な放射線治療より短い期間（日数）で放射線の総線量が照射される放射線治療。（NCI）
がん cancer: 異常な細胞が無制限に増殖し、近くの組織に浸潤する疾患の総称。がん細胞は血液やリンパ系を介して身体の他の部位に転移する可能性もあります。悪性腫瘍ともいいます。（NCI）
原発不明がん cancer of unknown primary origin: がん細胞が体内で見つかったが、細胞が最初に増殖し始めた場所（原発部位）を特定できないがん。CUP（carcinoma of unknown primary）ともいいます。（NCI）
決定的〔最終的〕治療（根治的治療）definitive treatment: すべての選択肢を検討したあとで、患者にとって最適な治療法として選択された疾患、または障害に対する治療計画。（NCI）
外部照射治療 external-beam radiation therapy: 機械を使用して身体の外からがんを狙って高エネルギー線を照射する放射線治療の一種。外部放射線治療ともいいます。（NCI）
経過観察 follow-up: 治療後の一定の期間にわたって患者の健康状態を監視すること。経過観察には、臨床研究または臨床試験に参加する患者さんの健康状態の経過を、研究中および研究終了後の一定期間にわたって観察することが含まれます。（NCI）
ガントリー gantry: 放射線ビームが出力される加速器の部分をガントリーといいます。ガントリーは患者さんの周囲で回転しています。ガントリーを回転させ、治療台を動かすことによって、あらゆる角度から腫瘍に放射線を照射することができます。
高線量放射線 high-dose radiation: HDR ともいいます。標準的な放射線治療で照射される量より多い量の放射線。高線量放射線は正常組織の損傷を避け、腫瘍を正確に照射し、より少ない治療回数でより多くのがん細胞を死滅させることができます。（NCI）
高線量率遠隔小線源治療 high-dose-rate remote brachytherapy: 遠隔操作により治療と治療の間で放射線源を取り除く、内部放射線治療の一種。高線量率遠隔放射線治療、遠隔小線源治療ともいいます。（NCI）
過分割放射線治療 hyperfractionated radiation therapy: 放射線の総線量が少ない線量に分割され、治療が 1 日に複数回行われる放射線治療。過分割照射療法、超分割照射療法ともいいます。（NCI）
過分割照射療法 hyperfractionation: 過分割放射線治療、超分割照射療法ともいいいます。放射線の総線量が少ない線量に分割され、治療が 1 日に複数回行われる放射線治療。（NCI）
画像取得 imaging: 医療でいう画像取得とは、体内の領域の画像を作成するプロセスです。画像取得では X 腺（高エネルギー放射線）、超音波（高エネルギー音波）、電波などの手段を利用します。（NCI）
緩和ケアまたは緩和治療 palliative care or therapy: 鎮痛ケア、支持療法（サポーティブケア）、症状管理ともいいます。重病または致命的な疾患にかかっている患者の生活の質を向上させるために行われるケアです。緩和ケアの目標は、病気の症状、治療に起因する副作用、病気や治療にかかわる心理的、社会的、精神的な問題をなるべく早期に予防または解決することです。
寛解 remission: がんの徴候および症状の減少または消失。部分寛解は、がんの一部の徴候や症状が消失した状態です。完全寛解では、がんのすべての徴候および症状が消失していますが、がんはまだ体内に残っている可能性があります。（NCI）
呼吸同期ゲーティング respiratory gating: この技術は、患者の呼吸サイクルと病巣部の位置関係を臨床医が追跡することを可能としました。このシステムは、体幹に赤外線追跡カメラと反射マーカーをあてることで、患者さんの呼吸パターンと可動域を測定します。腫瘍が呼吸サイクルの望ましい位置にあるときに、ゲーティングシステムが治療ビームを稼働したり停止したりします。これは、肺や肝臓、膵臓の治療に役立つほか、胸部疾患の治療時に心臓へ照射される線量を最小限に抑えることができます。
甲状腺がん thyroid cancer: 甲状腺（心拍、血圧、体温、体重のコントロールに作用するホルモンを作る喉の基底部にある器官）に発生するがん。甲状腺がんには主に乳頭状甲状腺がん、濾胞性甲状腺がん、髄様甲状腺がん、未分化甲状腺がんの4つの種類があります。これらは、がん細胞が顕微鏡下でどのように見えるかに基づいて分類されます。（NCI）
口腔乾燥症 xerostomia: ドライマウス（口腔乾燥症）。ドライマウスは唾液が十分に分泌されないことで起こります。
切除 ablation: 医療でいう切除とは、身体の一部や組織、またはその機能を除去、あるいは破壊することです。切除は、手術、ホルモン剤、薬剤、高周波、熱、その他の方法によって行われます。（NCI）
腺がん adenocarcinoma: 特定の臓器を覆う腺状（分泌腺）の特性を持つ細胞で発生するがん。（NCI）
腺扁平上皮がん adenosquamous carcinoma: ‘扁平上皮（特定の臓器を覆う薄い扁平な細胞）と腺状細胞の 2 種類の細胞が含まれているがんの一種。（NCI）’
進行がん advanced cancer: 体内の他の部位に転移し、治療しても通常治癒または制御できないがん。（NCI）
侵襲性の強いがん aggressive: 急速に増殖するがん。（NCI）
小線源治療 brachytherapy: 組織内照射療法、内部放射線治療法、近接照射療法などともいいます。針、シード、ワイヤーまたはカテーテルに密封された放射性物質を腫瘍内に直接留置するか、または腫瘍のすぐ近くに留置する放射線治療の一種。（NCI）
上皮内がん carcinoma in situ: 最初に発生した場所（上皮内）にとどまっている異常な細胞の集まり。上皮内がんはほとんどの場合、転移しません。ただし、これらの異常な細胞は、悪性化して近傍の正常な組織に転移（浸潤）する可能性があります。この場合は、一般にいう「がん」となり、ステージ 0 のがんともいわれます。（NCI）
細胞 cell: 身体の組織を構成する基本単位。すべての生物は 1 つ以上の細胞から構成されています。（NCI）
細胞周期 cell cycle: 細胞周期は、1つの細胞の染色体とその他の細胞物質が倍増し、その後分裂して2つの複製を作る一連の過程を指します。分裂してできた2つの細胞は娘細胞といい、それぞれの娘細胞が細胞周期の過程で2倍に増えた染色体等を１つずつ受け取り、２つの複製ができます。個々の娘細胞が自らの外膜に覆われると細胞周期が完了します。有糸分裂周期ということもあります。（NCI）
線量 dose: 被ばく放射線量
線量測定士（放射線）dosimetrist: 治療に適した放射線量を決定するスタッフ。（NCI）
線量測定 dosimetry: がんを含む疾患の治療または検出のために使用される X 線、ガンマ線、またはその他の放射線による被ばく線量の測定。（NCI）
初期ステージ early-stage: 増殖の初期段階にあり、体の他の部位にまだ転移していない可能性があるがんの説明に使用される用語。どの状態を初期ステージというかは、がんの種類によって異なる可能性があります。（NCI）
腫瘍内科医 medical oncologist: がんを診断し、化学療法、ホルモン療法、生物学的療法および標的療法を利用してがんを治療することを専門とする医師。腫瘍内科医は、がん患者さんにとって主要な医療サービス提供者です。腫瘍内科医は支持療法も行っており、他の専門医によって行われた治療を調整することもあります。（NCI）
髄膜の meningeal: 髄膜（脳と脊髄を包み、保護している薄い三層の組織）と関連すること、または部位。（NCI）
髄膜転移 meningeal metastasis: 原発巣から髄膜（脳と脊髄を包み、保護してる薄い三層の組織）へのがん細胞の転移で、がん患者にとっては重大な問題となることがある。多くの種類のがんで起きる可能性がありますが、最も起きる頻度が高いがんは黒色腫、乳がん、肺がん、消化管がんで、髄膜の炎症が起きることがあります。がん性髄膜炎、軟髄膜がん、軟髄膜転移、髄膜がん腫症、腫瘍性髄膜炎ともいいます。（NCI）
腫瘍医 oncologist: がん治療を専門とする医師。がん専門医の中には特定の方法でがんを治療する医師もいます。放射線腫瘍医は放射線によるがん治療を専門にしています。（NCI）
前立腺がん prostate cancer: 前立腺（膀胱の下、直腸の前にある男性生殖器系内の腺）の組織にできるがん。前立腺がんは通常、年配の男性に発生します。（NCI）
スキャン scan: 体内の構造の画像。病気の診断、病期分類、病気の監視によく使用されるスキャンには、肝臓スキャン、骨スキャン、コンピューター断層撮影（CT）スキャンまたはコンピューター軸位断層撮影（CAT）スキャン、磁気共鳴撮像（MRI）スキャンなどがあります。肝臓スキャンと骨スキャンでは、血流に注入される放射性物質がこれらの臓器に集まります。放射線を検出するスキャナーが画像の作成に使用されます。CT スキャンでは、コンピューターと連動した X 線装置を使用して体内の臓器の詳細な画像を作成します。MRI スキャンでは、コンピューターに接続された大きな磁石を使用して、体内の領域の画像を作成します。（NCI）
スクリーニング・マンモグラム screening mammogram: 徴候や症状がないときに乳がんの有無を調べるために撮影される乳房の X 線写真。（NCI）
シミュレーション simulation: がん治療の放射線治療計画において、標的領域の位置を正確に特定し、標的領域を高精度でマークできるようにするプロセス。（NCI）
小細胞肺がん small cell lung cancer: 肺の組織にできる侵襲性の強い（増殖が速い）がんであり、体の他の部位に転移する可能性があります。がん細胞を顕微鏡で観察すると、小さく、楕円形に見えます。（NCI）
脊髄がん spinal cancer: 脊柱（背骨）または脊髄で発生するがん。脊柱は椎骨と呼ばれる連なった骨で構成されています。脊髄は、頭蓋底から下に向かって背中を通っている神経組織の束です。脊髄は 3 つの保護膜に覆われており、椎骨に囲まれています。脊椎の骨、組織、髄液または神経にさまざまな種類のがんができることがあります。（NCI）
スパイラル CT スキャン spiral CT scan: ヘリカル CT（らせん CT）ともいいます。らせん軌道で身体をスキャンする X 線撮影装置と連動したコンピューターにより、体内の領域の詳細な画像が得られます。（NCI）
ステージ stage: がんの程度。がんのステージ分類は、通常、腫瘍の大きさ、リンパ節内にがんが存在するかどうか、がんが原発部位から体の他の部位に転移しているかどうかに基づいて行われます。（NCI）
舌がん tongue cancer: 舌で発生するがん。一般に、舌の前方 3 分の 2 で発生するがんは口腔がん、舌の後方 3 分の 1 で発生するがんは口腔咽頭がんまたは咽喉がんといわれています。（NCI）
三叉神経痛（さんさしんけいつう）trigeminal neuralgia: 顔面に刺すような痛みや電気ショックのような痛みを引き起こす神経障害。手術的照射は三叉神経の治療にも用いられ、慢性的な痛みを緩和できます。
腫瘍 tumor: 細胞が必要以上の回数分裂するときや、死滅すべきときに死滅しない場合に生じる異常な組織の塊。腫瘍は良性（がん以外）の場合も悪性（がん）の場合もあります。新生物ともいいます。（NCI）
動静脈奇形 arteriovenous malformation: 動脈と静脈が複雑に絡み合う循環器系の疾患。動脈は酸素を多く含んだ血液を心臓から身体の細胞へ運び、静脈は酸素を失った血液を肺と心臓に戻します。AVM（動静脈奇形）が存在すると、この重要な循環プロセスが中断されます。脳や脊髄に存在するAVMは身体に特に広範な影響を及ぼす可能性があります。
電子線 electron beam: 放射線治療に使用できる電子（原子内に存在するマイナスに帯電した小さい粒子）の流れ。（NCI）
頭頸部がん head and neck cancer: 頭部または頸部（鼻腔、副鼻腔、唇、口、唾液腺、咽喉または喉頭 [声帯]）に発生するがん。（NCI）
直線加速器 linear accelerator: 電気を利用して高速素粒子の流れを形成する機械。この素粒子の流れががんの治療に使用できる高エネルギーの放射線を生成します。リニアック、メガボルト直線加速器、MeV 直線加速器ともいいます。（NCI）
転移 metastasis: 身体の 1 つの部位から別の部位へがんが広がること。転移した細胞によって形成された腫瘍は転移性腫瘍または転移がんといいます。転移性腫瘍には原発巣内の細胞と同じような細胞が含まれています。metastasis（転移）の複数形は metastases です。（NCI）
転移する metastasize: 身体の 1 つの部位から別の部位へがんが広がる（転移する）こと。がん細胞が転移して二次腫瘍を形成すると、転移性腫瘍内の細胞は原発巣内の細胞と同じようなものになります。（NCI）
転移性の metastatic: 原発部位（がんが発生した場所）から体の他の部位へのがんの広がりである転移と関連するもの。（NCI）
唾液腺がん salivary gland cancer: 唾液腺（唾液を作る口の中の腺）の組織にできる希少がん。ほとんどの唾液腺がんは高齢者に発生します。（NCI）
洞 sinus: 体内の空洞、空間または通路。洞の例には、頭蓋骨前部の骨の空洞、血液やリンパ液の通路などがあります。洞は心臓、脳、その他の臓器に見られることもあります。（NCI）
頭頸部扁平上皮がん squamous cell carcinoma of the head and neck: 扁平上皮（皮膚、眼、さまざまな内臓の表面、中空器官および一部の腺の管を覆う組織層を形成する薄い扁平な細胞）で発生する頭頸部のがん。頭頸部扁平上皮がんには、鼻腔、副鼻腔、唇、口、唾液腺、咽喉、喉頭（声帯）のがんが含まれます。ほとんどの頭頸部のがんは扁平上皮がんです。
体幹部定位放射線治療 stereotactic body radiation therapy: 特殊な機器を使用して患者さんを適切な位置に固定し、高い精度で（脳を除く）体内の腫瘍に放射線を照射する外部放射線治療の一種。放射線の総線量を分割し、数日間にわたって照射します。この種の放射線治療は正常組織の損傷の軽減に効果があります。（NCI）
定位放射線治療 stereotactic radiation therapy: 定位外部照射治療法ともいいます。特殊な機器を用いて患者を適切な位置に固定し、高い精度で腫瘍に放射線を照射する外部照射治療の一種。放射線の総線量を数回に分割し、数日間にわたって照射します。
超音波 ultrasound: 高エネルギーの音波を内部組織や内臓器官に反射させてエコーを発生させる手法。エコーパターンが超音波装置の画面に表示され、ソノグラムと呼ばれる身体の組織の画像を形成します。超音波検査法ともいいます。（NCI）
乳がん breast cancer: 乳房の組織、通常は乳管（母乳を乳頭に運ぶ管）と小葉（母乳を生産する腺）に発生するがん。乳がんは男性・女性ともに発生しますが、男性の乳がんは希少がんです。（NCI）
内部放射線治療法 internal radiation therapy: 針、シード、ワイヤーまたはカテーテルに密封された放射性物質を腫瘍内に直接留置するか、または腫瘍のすぐ近くに留置する放射線治療の一種。小線源治療、組織内照射療法、近接照射療法ともいいます。（NCI）
乳房部分切除術 partial mastectomy: 乳房分画切除術ともいいます。がん並びに腫瘍周囲の乳房組織および腫瘍の下の胸筋を覆う組織層の除去を行います。通常は腕の下のリンパ節（腋窩リンパ節）の一部も除去されます。（NCI）
バレット食道 Barrett esophagus: 下部食道を覆う細胞が変化したり、異常な細胞に置き換えられており、食道がんを誘発する可能性がある状態。胃の内容物の逆流が食道を刺激し、時間の経過とともにバレット食道を引き起こす可能性があります。（NCI）
併用療法 concurrent therapy: 他の治療と同時に行われる治療。（NCI）
分割照射 fractionation: 放射線治療の総線量を数日間に分割し、同じ線量を数回に分けて照射すること。（NCI）
ホルモン療法 hormonal therapy: ホルモンを追加、遮断（ブロック）、または除去する治療。特定の症状（糖尿病や閉経期など）では、低ホルモンレベルを維持するためにホルモンを投与します。特定のがん（前立腺がんや乳がんなど）の増殖を遅らせる、あるいは阻止するために、合成ホルモンまたは他の薬剤を投与して身体の天然ホルモンを遮断することもあります。また、特定のホルモンを生成する腺を除去するための手術が必要になることもあります。内分泌治療、ホルモン治療ともいいます。（NCI）
非侵襲性 noninvasive: 医療でいう非侵襲性とは、皮膚を経由して、または身体の開口部の中へ器具を挿入する必要がない治療のことをいいます。がんでは、発生した組織の外部へ転移していない疾患のことをいいます。（NCI）
病理報告書 pathology report: 病理医が微視的証拠（肉眼では見えない顕微鏡的な証拠）に基づいて作成する細胞や組織に関する報告書であり、病気の診断を下すために使用されることもあります。（NCI）
放射線 radiation: 粒子波または電磁波の形で放出されるエネルギー。一般的な放射線源には、ラドンガス、宇宙空間から降り注ぐ宇宙線、医療用 X 線、放射性同位体（崩壊して安定性を増しながら放射線を放出する化学元素の不安定な形態）から放出されるエネルギーなどがあります。（NCI）
放射線腸炎 radiation enteritis: 腹部、骨盤または直腸に対する放射線治療に起因する小腸の炎症。症状には、吐き気、嘔吐、腹痛、腹部のけいれん、頻繁な排便、水様性または出血性の下痢、脂肪便、体重減少などがあります。これらの症状の一部は長期間継続することがあります。（NCI）
放射線線維症 radiation fibrosis: 放射線治療の結果、瘢痕（やけどなどが治ったあとに残る傷あと）組織が形成される症状。（NCI）
放射線壊死 radiation necrosis: 放射線治療に起因する健常組織の壊死。放射線壊死は、がん細胞を死滅させるために行われる放射線治療の副作用で、がん治療の終了後に発生する可能性があります。（NCI）
放射線看護師 radiation nurse: 放射線治療を受けている患者の看護を専門とする看護師。（NCI）
放射線腫瘍医 radiation oncologist: 放射線を利用したがんの治療を専門とする医師。
放射線物理士 radiation physicist: 放射線装置が適切な量の放射線を体内の正しい部位に照射するよう取り計らうスタッフ。物理士は放射線腫瘍医と連携して、最も多くのがん細胞を死滅させる可能性が最も高い治療スケジュールと線量を選択します。（NCI）
放射線技師 radiation therapist: 放射線治療を行う医療従事者。（NCI）
放射線治療 radiation therapy: 放射線療法、照射法ともいいます。X 線、ガンマ線、中性子、陽子、その他のエネルギー源から放出される高エネルギー放射線を利用して、がん細胞を死滅させ、腫瘍を収縮させます。放射線の発生源は、体の外にある機械の場合も（外部照射治療）、体の中でがん細胞の近くに留置された放射性物質の場合も（内部照射治療）あります。全身放射線療法では、血液中を移動して全身の組織に届く放射標識モノクローナル抗体などの放射性物質を使用します。（NCI）
放射性シード radioactive seed: 腫瘍内または腫瘍のそばに留置される小型の放射性ペレット。放射性物質が崩壊し、安定性を増しながら放出するエネルギーによってがん細胞を死滅させます。（NCI）
放射線（科）医 radiologist: 体内の領域の画像を作成し、解釈することを専門とする医師。画像は X 線、音波またはその他の種類のエネルギーで作成されます。（NCI）
放射線外科 radiosurgery: 放射線手術または定位手術的照射ともいいます。特殊な装置やリニアックを使用して、患者さんを適切な位置に固定し、高い精度で 1 〜 5 回の高線量照射を腫瘍に対して行う体外照射療法。当初は通常の手術では治療できない脳腫瘍やその他の脳疾患の治療に使用されていました。現在は他の種類のがんの治療での有効性も研究されています。（NCI）
放射線療法 Radiotherapy: 放射線治療ともいいます。X 線、ガンマ線、中性子、陽子、その他のエネルギー源から放出される高エネルギー放射線を利用して、がん細胞を死滅させ、腫瘍を収縮させます。（NCI）
扁平上皮がん squamous cell carcinoma: 類表皮がんともいいます。魚の鱗のように見える薄い扁平な細胞である扁平上皮細胞に発生するがん。扁平上皮細胞は、皮膚の表面を形成する組織、身体の中空器官を覆う組織層、気道および消化管の内腔表面の組織などに見られます。（NCI）
病期分類 staging: がんの進行度、特にがんが原発部位から身体の他の部位に転移しているかどうかを調べるために検査や試験を実施し、ステージ（病期）を見定めること、あるいはその分類。最良の治療を計画するにはがんのステージを知ることが重要です。（NCI）
マルチリーフコリメータ multi-leaf collimator: リニアックのガントリー内部の装置で、放射線ビームを特定の形状と一致させる働きをします。薄い個別の小板（リーフ）の位置を変えることによって、特定の腫瘍の大きさと輪郭に基づいた固有のビーム形状を作り出します。
陽子線治療 proton therapy: 陽子ビーム治療とも呼ばれます。陽子線治療は X 線の代わりに陽子線を用いてがんを治療する放射線治療の一種です。陽子はプラスに帯電した粒子で、高エネルギーであるため、がん細胞を破壊することができます。
良性 benign: がん性でないこと。良性腫瘍は大きくなる可能性がありますが、体の他の部位に転移することはありません。非悪性ともいいます。
両側性がん bilateral cancer: 両方の乳房や両方の卵巣のような対になっている臓器の両方で発生するがん。（NCI）
臨床医 clinician: 患者のケアを行う医療専門家。（NCI）
累積線量 cumulative dose: 医療でいう累積線量とは、たとえば一連の放射線治療で照射される放射線の総線量など、一定の期間にわたって患者に投与される薬剤や照射される放射線の総量をいいます。（NCI）
累積被ばく cumulative exposure: 一定の期間にわたって人が被ばくする物質または放射線の総量。有害物質または放射線の累積被ばくは特定の疾患または病状を引き起こすリスクを高める可能性があります。（NCI）
リニアック linac: 電気を利用して高速素粒子の流れを形成する装置。これにより高エネルギーの放射線が発生し、がんの治療に用いられます。リニアック、メガボルトリニアック MeVリニアックもいいます。（NCI）
リンパ浮腫 lymphedema: 一般的には、片側の腕または脚に生じる腫れを指します。リンパ浮腫の多くは、片側の腕あるいは脚に影響しますが、ときに両側ともに腫れることがあります。リンパ浮腫は、免疫や循環システムにとって重要なリンパ系が閉塞されてしまうことで起きます。リンパ系が閉塞することによってリンパ液が十分に排出されず、リンパ液が貯留することで腫れが続きます。能性があります。（NCI）
リンパ上皮種 lymphoepithelioma: 鼻咽頭（鼻の背後の喉の上部）を覆う組織で発生するがんの一種。（NCI）
卵巣がん ovarian cancer: 卵巣（卵子を生産する一対の女性の生殖腺の 1 つ）の組織にできるがん。ほとんどの卵巣がんは、卵巣上皮がん（卵巣表面の細胞で発生するがん）または悪性胚細胞性腫瘍（卵細胞で発生するがん）のいずれかです。（NCI）

用語集

用語集

「放射線治療を受ける方へ」